事故物件を建て替えるときのメリットや必要費用を解説

所有する事故物件を建て替えて、売却や従来とは異なる運用方法を検討するケースがあります。
建て替えにより心理的瑕疵を低下させれば買い手が付きやすくなりますが、費用がかさむと売却益や運用益で回収するのが難しくなる恐れもあります。
この記事では、建て替えるときの資産価値の変化やメリット、必要となる費用などを解説するので、事故物件の売却をお考えの方はお役立てください。

事故物件を建て替えて資産価値を上げるのは困難

事故物件は、不快感や恐怖心などの心理的瑕疵が伴うため、建て替えても資産価値の低下を防ぐことはできず、2割から5割程の資産価値の低下は避けられないでしょう。
また、中古不動産の売買時には、売却した中古住宅で瑕疵が発覚した際、売り手側が修繕費などを負担する契約不適合責任を一定期間負うことになります。
瑕疵は建物の傷や欠陥だけではなく、買い手の心理に影響する心理的瑕疵も含まれ、心理的瑕疵物件は宅地建物取引業法上で告知義務が定められています。

事故物件を建て替えるメリット

資産価値を大きく上げられるわけではありませんが、事故や事件が起きた建物を取り壊し新しい建物にすると、あまり気にならない方もいます。
不快感や気持ち悪さは、心理的な問題なので払拭されやすいとも言われています。
建物の基盤から一掃して設計し直すので、間取りや設備の自由度が上がり、シェアハウス向けの賃貸物件など用途を変更した物件へ生まれ変わらせることが可能です。
また、建て替えはリフォームに比べて住宅ローンの選択肢が多く資金調達しやすくなり、リフォームローンよりも金利が低くなるメリットがあります。

事故物件を建て替えるときの費用の相場

古い家の解体費は、取り壊す家の大きさや構造によって異なります。
木造の場合には一坪あたり3万円から5万円、鉄骨造は3万5千円から6万円、鉄筋コンクリート造だと4万円から8万円が相場になります。
このほか、ガレージやブロック塀などの解体や庭木を撤去する際には別途費用が必要です。
新しい家の建築費は、家の構造や建材のほかハウスメーカーによっても大きく異なります。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造のほうが木造よりも高く、階数などによっても違ってくるのが一般的です。
一坪あたりの相場は、一般的なハウスメーカーで30万円から50万円、工務店であれば50万円ほど、高級住宅を扱うハウスメーカーでは70万円程度のケースもあるでしょう。
このほか、建物滅失登記や建物表題登記、所有権保存登記、抵当権設定登記をおこなうと20万円ほどがかかります。
地盤調査が必要なときは5万円から25万円がかかり、地盤改良工事をおこなう場合は一坪あたり3万円ほどの工事費も必要になります。

まとめ

事故物件は、建て替えたとしても不快感や恐怖心などの心理的瑕疵がすべて取り払えるわけでありません。
ただ、立て替えて新しい建物となれば、気にならないと考える方もいらっしゃいます。
建て替えるメリットや、建て替え費用の考え、慎重に検討しましょう。
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